皆さんDJダイノジはご存知でしょうか?
今やフェスに1番呼ばれているDJで 氣志團万博にも呼ばれるような方で、そのパフォーマンスたるやあのMr.Childrenの桜井さんも「これが音楽だよね!」と踊り狂ったと言う逸話もある程です。
で、誰?
って話ですが、お笑い芸人のダイノジの大谷さんです。
※失礼な言い方ですが「エアギター」じゃない方です。
そう大谷さんこそDJダイノジなんです。
ダイノジは、お笑いだけじゃないんです。
岩谷テンホーの四コマ漫画のモノマネしているだけじゃんないんです!!
(知ってる人いるかな…)
こんばんはDJかめぴょんです。
大谷さんがDJをやっている事が意外なのか、僕が元DJなのが意外なのかわからなくなったでしょう?
さて、DJダイノジは普通のDJとは一線を画しています。
もしDJダイノジしかDJを知らないとしたら事の重大さに気が付いていない状況です。
それでは、DJダイノジが普通のDJと何が違うかをDJかめぴょんが解説しましょう。
そもそもDJってなにやってるの?
まずDJについてですが、皆さんがDJと聞くと想像するのがこれだと思います。
(↑DJ SARAは、たぶん17歳くらい。弟RYUSEIと天才DJ兄弟)
そう、スクラッチ
DJと言えばスクラッチですよね?
僕はスクラッチはほとんど出来ませんが、DJやってるって言うと必ずスクラッチができると思われているようです。
そして、もう一つは喋るタイプのDJ
で、僕が話したいのはこういうDJではないのです。
クラブ(旧ディスコ)で、曲をきれーいに繋いでいくタイプのDJがいます。
特に名称はないのでクラブDJやミックスDJ、ラウンジDJなんて呼ばれます。
(ラウンジDJはメインフロアじゃなくてbarスペースなどでゆったりした曲をかけるDJです)
基本的に呼ばれ方は音楽のジャンル + DJというのが多いです。
・Techno DJ (テクノ)
・HIPHOP DJ (ヒップホップ)
・REGGAE DJ (レゲェ)
・ROCK DJ(ロック)
ちなみに僕はHouse DJ(ハウス)です。
(ハウスって、家でDJやるとかじゃなくて「ハウス」というジャンルが音楽にはあるんです)
なぜ、英語表記にしたかというと、そのほうがモテそうでからです。
DJやるやつの理由はモテたいからです。
さて、DJには大きく分けて二種類います。
①パフォーマンスDJ
②ミックスDJ
です。
まず、この二つを説明します。
パフォーマンスDJ
いわゆるスクラッチやるタイプです。
スクラッチには世界大会とかもあります。
世界最高峰のスクラッチはマジですごいです。
僕らが見てても何をやってるのかよくわかりません。
ちなみに世界大会では、レコードに可燃グリスを円形に塗り、火をつけて燃えるレコードをスクラッチする炎のDJがいましたが、見事に一回戦負けでした。
そりゃそうだ!
機材大切にしろよ!!
で、どうやってるかと言うと1番オーソドックスなのは
左のレコードの曲を流してる最中に、右にあるレコードをこする
で、左の曲と右のこすりの音のバランスを真ん中にあるMixerと言う機械で整えるのだ。
キュキュキューって音は、レコードをこすってる音じゃなくて、Mixerでキューーーって音を高速でON-OFFを繰り返して、キューをキュキュキューにしてるんです。
この技術をクラブスクラッチと言います。
実はこするより、真ん中の機械にある手の方に注目したほうがいいです。
ありえねー指の動きしてますから、ちなみにクラブスクラッチは指の動きがカニみたいだからそういう名前になったんですよ。
ミックスDJ
実はDJで圧倒的に多いのが、このミックスDJだ。
コレは、曲をかけて次の曲にカッコよく繋げ、さらにまたカッコよく曲を繋げて音楽を途切れさせないのだ。
超絶うまい人だと、いつ曲が変わったかわからない程です。
本当にいつの間にか曲が変わっているのです。
ロングミックスする人なら2分くらい、気づかれないように2曲同時に流していていつの間にか曲が変わっているんです。
カッコいい曲を選び カッコよくつなぎ フロアを熱く響かせるのだ。
どうだい?
DJってかっこいいだろ??
オーディエンス(客)をいかに選曲とテクニックで踊らせるかということをやっているのだ。
とても古い曲だがm-floのComeAgainというのがあり、その歌詞のワンフレーズこそがDJの全てを語っているのです。
踊り続けさせて、ねぇDJ won`t you comeagain
フロアーをもっと熱く響かせて
朝までまわしつづけて
帰りたくないから止めないで
(m-flo/ComeAgainより)
DJはみんな女の子にこのセリフを言われたくてDJをやっているのだ。
大事なところだからもう一度言おう!
朝までまわしつづけて
帰りたくないから止めないで
だ。
DJは、このセリフを女の子に言われたいのだ。
言われた事ねぇけどな!!
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DJダイノジのスタイル
さて、大きく二つのDJを説明しました。
ちなみに僕はミックスDJです。
しかしながら、DJダイノジは新しいジャンルなんです。
基本スタイルはいわゆるミックスDJです。
いい曲をかけてフロアーを熱くするんです。
だがしかし、他のDJと全く違う点がパフォーマーの存在だ。
DJの前に踊る人を配置するんですが、そのパフォーマーが客席に向かって振り付けを教えるんですね。
しかもそれはとてもとても簡単な振り付けです。
(↑最強パフォーマー森森子)
例えば
「クラップス(手拍子)ちょうだい!タン、タタ、タンね!いくよ、さんはい!!」とか
「ステップいくよ!みーぎ、ひだり、みぎひだり!はいいくよー! 」とかだ
誰でもできます。
本当に誰でもできます。
このシステム何かに似てませんか??
そうお母さんと一緒です。
もっというなれば、振付けの内容のレベル的にはお母さんと一緒よりもっと乳幼児向けの「いないいないばあ」レベルだ。
しかも、DJダイノジが使用する音楽は誰しもが聞いたことのある往年のJPOPだ。
こどもがわんわんと一緒に踊れるのと同じ理屈で僕らも踊れちゃうのだ。
そもそもDJの前にパフォーマーを置くなんてのは斬新だ!!と思ってたのですが、歴史を辿ってみると、これはジュリアナ東京時代に「お立ち台」というのがあって大盛り上がりしていたのだ。
ただし、お立ち台はジュリアナ時代に法令では禁止になった。
※お立ち台は登った一般女性が当時流行ったTバックを晒すと言うストリップと同じくらい過激だったためです。
つまり、DJダイノジはお立ち台から純粋に卑猥さを引き算し良いところだけを抽出し、更にはお母さんと一緒の良いところをかけ合わせたハイブリッドなシステムなのだ。
これテストに出ますので以下の公式を覚えておくこと。
お立ち台 × お母さんと一緒 =DJダイノジ
三拍子揃ったのに、なぜ?
DJダイノジの面白さを一言で言うなら、誰もが楽しめるだ。
・曲が誰でも知ってる
・振り付けも簡単ですぐできるから誰でも踊れる
・みんなでやるから誰でも楽しめる
誰でも知ってる、踊れる、楽しめる。
三拍子揃っていて最高じゃないか。
と感じるだろう。
だがしかし、これってDJからしたらクソダサい事なんです。
2018年現在の価値観だからこそ認められたパフォーマンスなんです。
逆に言えば、このクソだぜぇパフォーマンスを、こんなにも最高の形に仕上げたのだから、この10年間のDJダイノジの世間からの冷たい風と批判は相当だった事を容易に想像できます。
DJダイノジは10年以上前からこのスタイルは変わっていないらしい。
だとしたら、涙なしには語れない10年と断言できる。
僕はDJダイノジのイベントに参加しただけで、直接お話したことないから憶測ですが、それでも断言できます。
DJダイノジは絶対に他のDJからバカにされていたはずです。
DJかめぴょん
僕がDJをやっていたのは今から15年前だ。
おそらく、DJダイノジもやり始めたのはこの頃だったらしい。
その頃のDJとは
テクニックの前に
誰も知らないカッコいい曲をたくさん知っている
が、大前提です。
当時は今と違い曲をダウンロードすることもできなく、めっちゃカッコいい曲もCDではなくアナログ盤レコードしかなく、しかもレコード屋にも十数枚しか入荷しない状況だ。
しかも1曲千円です。
いつ入荷されるかもわからないし、試聴も出来ないからクラブで曲を聞いてなんていう曲かDJに聞いてその情報を頼りにレコード屋に通うのだ。
今じゃ考えられないでしょ?
(↑通いまくっていたCISCOは全店閉店しました)
僕もDJ時代は、仕事での東京出張時に同期が東京観光に行っているのに、僕だけ渋谷のCISCOにレコード買いあさりに行ってました。
なのでDJは内心
俺たちは誰も知らないいい曲のために服も買わず飯も我慢して探しているのにDJダイノジときたらそこらへんで簡単に手に入るJPOPを仕入れてかけてDJ名乗ってるの
と思っていたのではないだろうか。
DJは本当、曲買いまくるから貧乏が多かったです。
僕はにわかDJだったので、そこまで曲にお金は使いませんでしたけど…
お前はDJじゃない
もっと言うと、僕らの時代のクラブシーンはサイバートランスというのが流行っていた。
僕は札幌でしたが、キングムーというクラブでたまに開催されていた(本拠地はベルファーレ)です。
サイバートランスはギャルに流行ったのだ。
バブル期にジュリアナテクノが流行り、すたれた、その後ユーロビートが流行った(パラパラとかはユーロビートの派生。ちなみにスキャットマンもユーロビート)、その次に来たのがトランスと呼ばれるジャンルだ。
まぁ、超アップテンポなデジタルミュージックだ。
浜崎あゆみのアレンジとかがそれに当たります。
当時の大学生ギャル、ギャル男がスーパーフリーのような集団にノルマを課せられこぞってチケット販売にあたり無法地帯のようなパーティー(パーティー⤵じゃなくてパーティー⤴ね)を開催していました。
その頃はDJドラゴンと言う人が有名でした、普通に腕はいいDJです。
だがしかし基本的に選曲がアッパー(テンション上がる曲)しか使わないし、音楽も何もわかってねーただ騒いぎたいよーなギャル・ギャル男達を盛り上げているという理由でDJの中からもさほどリスペクトはされていなかった(今考えれば普通にすげぇー事をやってた人なんだけどね)
(↑普通にすげぇーよDJドラゴン)
そう考えると、ギャルギャル男を盛り上げているという理由だけで、DJドラゴンでさえその扱いだ。
その時代にJPOPだけかけるDJダイノジがいかにDJに嫌われるか想像できるだろう。
これも憶測ですがDJに「お前はDJじゃない」と言われてたんじゃないだろうか??
(ちなみに僕は働きながらDJやってて、このセリフを言われてDJ辞めました)
一度だけ見たことある光景
僕もDJとして参加したイベントでJPOPをかけたDJがいました。
DJイベントと言うのは通常5人か6人くらいで、1人1時間程度の持ち時間でフロアーを盛り上げるのです。
そのうちの一人がいわゆるにわかDJで当時アナログ主流の中CDJを使い、しかも自宅にCDJ持ってないから曲のつなぎもテクニックゼロでカットインしかやらない(曲がいきなり切り替わる技術)人がいた。
↑アナログターンテーブル
↑CDJ
かける曲はロックやオールディーズと言われるものです。
そのジャンルで鉄板に盛り上がるのがブライアン・セッツァーオーケストラの曲がある。
たぶん誰しもが一度は聞いたことがある名曲中の名曲だ。
ブライアン・セッツァーは伝説のバンドストレイキャッツのVocalです。
Stray Cats - Rock This Town (Live 1983) - YouTube
(↑興味のあるオジサンはここをクリック!!超カッコいい!!)
そして、そのDJはこの曲になぞらえて、なんとモーニング娘。をかけたのだ。
(↑この曲がいかにブライアンセッツァーオーケストラを意識してるかがわかります)
たしかに楽曲はビックバンド風だが、僕らから言わせればブライアン・セッツァーとは大違いだ。
この曲をDJがクラブで流した瞬間、僕らスタッフ陣とクラブのバーテンもクラブ好きの客もドン引きだ。
しかし、意外と盛り上がったのです。
DJ本人からしたら盛り上がったんだしいいじゃん。
だと思うが、イベント終了後ボロクソにバカにしたし二度とイベントに呼ばないようにしたし、しばらくの間「アイツモー娘。かけたんだよ」と界隈で小馬鹿にした。
が、結局そのイベントで、クラブ初心者を一番盛り上がったのはモー娘。をかけた彼だったのだ。
DJがやっちゃいけない事
当時のDJには、いくつかやっちゃいけない事がある。
どちらかと言うとやったらだぜぇと言われることです。
それは
・音を途切れさせる。
・マイクを使う
・JPOPをかける
だ。
少し説明します。
①DJの価値は選曲です。
選曲はセットリストが最初から決まってるんじゃなくてフロアーを見て、ここは落ち着かせようとか、よし温まってきたから仕掛けるぜ!とか色々考えてるんです。
そしてミックスDJは曲をつなぐことが醍醐味なので曲を止めるなんて絶対にやっちゃいけないし一番白けます。
※DJあるある:たまにDJが入れ替わるときに前の人が思いっきりクロスフェーダーを切ってて、縦フェーダーあげても音ならないという罠を仕掛けてくるやつがいる。HIPHOPとロックDJに多い。
②マイクをつかう
意外かもしれませんがDJは喋りません。
マイクを使うのはMCです。
まぁ、ラップやったり「のってけよー、酔ってけよー」とか「チェッケラー」とか言う人です。
HIPHOPかREGGAEにはいますが、ミックスDJに多いハウスやテクノ(いわゆる4つ打ち)にはまずいません。
そもそも曲の変わり目に1番テクニックを使い集中しているし、曲がかかって間は次の曲選びとエフェクターを使ってるのでしゃべる暇ありません。
しゃべれるって事はそういうDJとしてのテクニカルなことをやってないという事です。
そして4つ打ち系のDJは基本的に内気なやつばかりです。
③ JPOPをかけちゃだめ
これは先程説明したとおりです。
コアな本当のいい曲を良しとしている価値観からすると、商業ミュージックなんてダサいからです。
(当時は僕もそう思ってましたが30過ぎたあたりからJPOP最高!と言うようになりました)
DJダイノジはと言うと
さて、先程DJがやってはいけない3つの事を紹介しましたが、DJダイノジはどうなのか検証しましょう。
①音を止める
僕が行ったイベントに関してはいきなり音を止めてました。
次かける曲は山下達郎で~
とDJが最もやっちゃいけない無音状態で曲紹介をして、振り付けをレクチャー。
そしてCUE(曲の頭からじゃなくて、サビや自分の決めたところから流すこと)して振り付けの練習。
じゃあ、本番行くよーとマイクで喋りまくり、山下達郎のサビを迎える頃には
あら不思議
僕らは勝手に踊れるように仕上がっています
そう「お母さんといっしょエフェクト(効果)」です。
勝手に踊れるようになった僕らを見て大谷さんは
おまえら最高!!
と、言うわけです。
音を止めるはマイク使いまくるは、JPOPかけたらダサいと言われてるのにJPOPしかかけないわ…とりあえずイベント開始15秒くらいで、3つの禁忌(タブー)を犯してました。
しかもたまに相方さん来て世界一のエアギター見せるという新たなる4つ目の禁忌(タブー)を作り出していたのです。
(↑キングコング西野氏の天才万博より。しかし、この写真撮影した人すげぇな。天才的にいい写真)
元DJからDJダイノジさんに一言言わせてもらえれば。
・
・
・
・
最高のイベントです!
俺もやりてー!!
もう「商業ミュージックとか興味ないんだ俺」とか言わないから
俺もやってみてーーっ!!
ぜってぇーそっちのほうが楽しいーっ!!
そして勢いで機材買っちゃったーっ!!
DJダイノジさんのイベントに感化されて買っちゃったー!!

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(↑安い割に機能は十分。元DJなんで15秒で使いこなせました。やっぱりデジタルは簡単だ。アナログ時代のスキルをなめるなよ。)
子ども達もやりたい放題ですよ!!
(↑5歳の息子もDJ)
(↑最年少1歳の娘も感覚的に使いこなしている)
苦節何年なんだろ
この手の話をすると
DJダイノジさんのやっていた事にやっと時代が追いついた
生まれる時代が早すぎた
とか言う意見が出るかと思います。
でも、そうじゃないんです。
DJダイノジさんが作ったんです、10年かけて。
例えばタイムマシーンがあってDJダイノジが今の経験のまんま10年前に戻れたとする。
でも、今みたいにイベントを盛り上げることは不可能だ。
なぜなら、10年前には「10年頑張ったDJダイノジ」がいないからだ。
今JPOPDJが認められたのは付け焼刃のテクニックじゃない。
大谷ノブ彦という人間の苦節10年があったからだ。
やってる事は変わってないんですよ?
10年前にJPOPやってた人もいたんですよ(モー娘。の例みたいに)
でもそういう奴らは周りが認めないしDJ名乗るなって抹殺してきました。
それでもDJダイノジはやり続け、少しずつ力をつけ、今や逆に日本で一番フェスに呼ばれるDJとなってます。
あの頃、僕らがバカにしたJPOP。
あの頃は、ダサいとしていたJPOPDJ。
でも、それは完全に過去形です。
今は最高にかっこいいDJです。
(当然昔ながらのDJも大好きですよ、僕は)
そんなDJダイノジさんの決め台詞がこれ
あなたの好きを肯定します
僕は文章が大好きだ。
DJダイノジさんの事、ずっと書こうと思ってやっと書けた!
最後までお読みいただきありがとうございます!!
↓僕のレターポット
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